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三牧聖子さん

 「授賞理由には、被爆者の証言が核兵器使用に対する警告となり、幅広い反核運動を生み出し、その定着に貢献してきたことなどが挙げられたが、さらには被団協による運動の『普遍性』―いかなる国がいかなる目的で持つ核も批判し、廃絶を追求する―も評価されたのではないか」

 10月11日配信の記事「被団協の箕牧さん『生きているうちに核兵器なくして』 各地から声」に、米国政治外交を専門とする同志社大学大学院准教授の三牧聖子さんは、こうコメントした。

 2024年のノーベル平和賞に、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が選ばれた。この朗報を受け、記事では、日本被団協代表委員の箕牧智之さんら各地の関係者の声を伝えた。

 三牧さんは核兵器について、多くの国が、自国や同盟国が持つ核は防衛目的の「善」の核で、対立国が持つ核は攻撃目的の「悪」の核だ、という二分法に陥りつつあるようにも見えると指摘。

 そうした中で日本被団協は「あらゆる国の核保有・核使用の脅しに反対を表明してきた」と評価した。また、その取り組みとして、ウクライナでの核使用をちらつかせるロシアを一貫して批判してきたことや、イスラエルの閣僚らによるガザへの核使用を示唆する発言についても、慎むように求めてきたことも紹介した。

 その上で三牧さんは、日本政府や国民に対して、被団協のノーベル平和賞受賞を契機に、核廃絶と平和に向けて何ができるのか「改めて考えてみるべきではないか」と訴えた。2023年のG7(主要7カ国)広島サミットでは、首脳声明で「核兵器のない世界」がうたわれた一方、抑止力としての核兵器保有を容認する「広島ビジョン」も出されたことに触れ、「『アメリカが日本に何を求めているのか』ばかりを追求し、より広い世界が被爆国日本に求め、期待する方向から、いよいよずれてきているのではないか」と懸念を示した。

 そして、次のようにコメントを結んだ。「一度立ち止まり、日本がとるべき道を見定める局面ではないだろうか」

 この記事や、三牧さんのコメント全文はこちらから(http://t.asahi.com/woam)。同じ記事には、核廃絶をめざす若者らの団体「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表の田中美穂さんもコメントしています。あわせてご覧ください。

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